【近隣トラブルと弁護士費用保険制度】

2021.05.17
 相模原市南区相模大野にある法律事務所ろはすの弁護士池田達彦です。

 さて、当事務所では境界紛争、騒音・悪臭等の近隣トラブルに関するご相談申込みが多数あり、コロナ禍において、ご相談件数が増加している傾向にあります。

 近隣トラブルにおいてよくネックとなるのは弁護士費用です。
 当事者間での話合いによる解決が困難であり、弁護士に依頼しようとしても、弁護士費用が相当額かかります。
 では、近隣トラブルの交渉等を弁護士に依頼した場合に、かかった弁護士費用全額を相手方に負担してもらえるかと言うと、必ずしもそうではありません。
 裁判実務では、不法行為(違法な行為)による損害賠償を訴訟上請求する場合に、弁護士費用についても相当因果関係のある損害としてある程度加算することを認める事例がありますが、その割合は請求額のうち認容額の10%相当にとどまります。例えば、40万円の慰謝料が認容された場合に、これに加算して認容される弁護士費用は10%の4万円程度になるということです。
 そのため、近隣トラブルの法的処理を弁護士に依頼したとしても、その弁護士費用の大半がご自身の持ちだしとなる可能性があります。ここが、近隣トラブルを抱える方にとって、弁護士に依頼しづらい理由となります。

 ここで、現在では、自動車保険、火災保険、傷害保険等の付帯特約としての弁護士費用特約や、単独型の弁護士費用保険が充実してきており、日常生活に関する問題に関する弁護士費用もカバーされる特約・保険商品も出てきています。
 そこで、新たに保険に加入される場合や、現在加入されている保険を見直す場合には、併せて弁護士費用特約・保険への加入についてもご検討されることをおすすめします。