【山林を買います!にご注意を】

2018.04.23
※当事務所Facebookサイト記事の転記となります。

 相模原・相模大野の『法律事務所ろはす』、弁護士池田達彦です。久々の投稿ですが、同様の詐欺被害に関する法律相談が増えていますので、注意喚起いたします。

 今年に入ってから、「持て余していた山林を買ってくれるという業者がいたので、土地の売買契約を締結した。このとき、登記等の費用に関する契約書だということで、他の契約書にも署名捺印した。あとで確認してみたところ、知らない土地を買わされていて、こちらがお金を払わないといけなくなっている。どうしたらよいか。」といった法律相談事例が増えています。

 具体的な手口はこうです。相続した山林(タダ同然の土地)を持て余しているAさんに、業者Bが、電話や直接訪問の方法で、「分譲住宅を建てる、又は、産業廃棄物処分場を建設するから、300万円で買いますよ。」と持ち掛けます。
 Aさんにとっては、タダ同然で処分に困っていた山林を買ってもらえるわけですから、喜んで契約に応じます。そして、いざ土地売買契約を結ぶ際に、司法書士への依頼に必要だとか、土地に土壌汚染といった瑕疵があった場合の保証金として必要だとか、色々理由をこじつけて、いくつかの書類に署名捺印させます。このとき、その書類の一つに、Aさんがタダ同然の山林を業者Bから400万円で購入する内容の書類を滑り込ませます。Aさんとしては、土地売買契約それ自体に慣れていませんし、既に結んだ300万円の土地売買契約書と400万円の土地売買契約書は体裁が似ているため、違いに気づかず、また、騙されているとも思っていませんので、署名捺印してしまうのです。
 その結果、トータルで見れば、Aさんは業者Bから差引100万円でタダ同然の土地を交わされたことになりますので、損するわけです。

 以上のような手口は、従来『原野商法』あるいはこれの二次被害型と呼ばれるものです。尚、今は原野の取引ではないので、原野商法と言う業界用語自体、現代版に修正したほうが良いかも知れません。

 大事なことは、慣れない土地売買を自分ひとりではやらないこと。ご自身だけでなく、山林や空き家をお持ちのご家族がいたら、注意喚起してみてください。